2025/02/03 16:43
いつも熊本発インディーズT-shirtブランド【DARGO】のブログをご覧いただきありがとうございます。

いま、ブランド創設から9年半かな?あと約半年で10周年。
不安と期待でスタートした地方発の小さなブランドですが、色々と思い返すとセンチメンタルになります。
初めてつくったKUMAMOTO CITY。
この時はカッティングシートを薦められたのですが、出来上がりの風合いに納得いかず…。

2014年、なけなしのお金でシルクスクリーンとインク、スキージなど道具一式を購入して手刷りを始めました。四畳半の部屋で。

こちらは先日のジョンピーでもお話した福岡版ローカルTee

2016年、四畳半の部屋から場所を移し、熊本市東区にあるジョンブル・アンティークさんを間借りさせていただくことに。
※ジョンブルアンティークは2025年2月より移転されます。詳細は公式Instagramにて

HAVE A NICE DAY。
こんなん作ったり。当時気に入っていたワードです。






袖を通せば首元のタグは見えなくなり、肝心のプリントデザインはというと、2015~2017年期は本場アメリカ(特にカリフォルニア)のアメカジウェアを意識したデザインが多かったと思います。
はじめて洋服に触れたのは中学2年生でした。
熊本の並木坂に行き、古着屋に入った時の衝撃は今でも忘れることができません。
で、その後、GET ON!やSTREET JACKなど当時のファッション誌を読むのですが、そこでは裏原系ブランドの特集がズラリ。
それらのデザインをたどると結局、アメリカに辿り着く。
『あぁ、僕らのカッコいいってアメリカに詰まっているんだな』と。幼き中学生は何となく肌で感じるわけです、アメリカを(笑)

それで2015年、DARGOという小さなブランドを設立するわけですが、アメカジ好きなら行かなきゃいかんでしょう!アメリカに!
というわけでチケット取ってすぐにフライト。先輩と一緒に8日間のバイイングトリップ。古着の買い付けに回りました。

カリフォルニア州サンフランシスコへ旅に出たのですが、言わずもがなアメリカは最高でした。







熊本の…というか日本の古着屋さんって所謂アメリカ西海岸 "カリフォルニア" で買い付けるお店が多いんです。
それは日本からニューヨークがある東海岸だと距離が長く、渡航費等のコストが多めにかかるからという諸説があります。
つまり手前側のカリフォルニアの方が渡航費が安い。
その影響か、僕もカリフォルニアやカリフォルニア発祥のブランドが好きになりました。
まぁ、結局、カリフォルニアは州だけで世界第5位のGDPがあるので、やっぱそれだけで都会だし、魅力的。
「VANS」「Levi’s」「Patagonia」「The North Face」「GREGORY」「BEN DAVIS」「Stussy」など、名だたるブランド全部カリフォルニア生まれ。
賑やかなダウンタウンと広大な自然が生んだブランドは、海の向こうのニッポンでも僕ら少年の心をガシっと掴んでくれたわけです。
これはフリーマーケットで撮った写真。

広い海軍航空基地の滑走路だった場所、
青い空、バカでかいトラック。そしてユーモアと笑顔で溢れる現地の人たち。
僕が思うカリフォルニアが、この写真一枚にギュッと詰まっています。
本題が長くなりましたが、アメリカに行く前、僕はDARGOの在り方をこう捉えていたのです。
『アメカジブランドを、熊本から』
熊本で作るのにプリントはCaliforniaやSan Francisco、Long Beachと、意気揚々に書こうとしていました。
でも、今まで購入してきたお店や好きな物からインプットされていたので仕方ありません。
で、その感覚でサンフランシスコへ行ったら
街の至るところに
"San Francisco" "San Francisco" "San Francisco"
と書かれているわけです。
あのジャイアンツのSFマークも、もちろん。
地元が地元を推す
当たり前のことだと思います。謙遜しない。
プッシュできないなら、その理由は?ダサいから?
じゃあプッシュできるようにカッコいい街にしていけばいいじゃん。
サンフランシスコはそんな街でした。みんなで地域を築いていました。
ただ、その当時の僕にとって、あの光景が衝撃的でした。
その後、熊本に戻り、熊本を推すブランドが無いことにも気付くこととなります。
ましてや熊本をテーマにした洋服ブランドなんてないんです。
それまでLevi’sやVANSをセレクトしてきたショップのオリジナルウェアなら文脈やリズムが存在しますが、全然無名の若者が作ったブランドにカリフォルニアやサンフランシスコなど書いてあっても、どこにグッとくればいいのか。
見てくれるお客様側もポイントが不明確ですよね。
ということで帰国後、DARGOは「熊本とファッションの合流地点」をコンセプトに、ヴィンテージやアメカジ感を感じるデザインにDARGOという文字を当てがって、面白く見ていただきつつ県外の方には熊本へ遊びに来ていただきたいし、実際に熊本に住んでいる方にはもっと好きになってもらえたら嬉しいなという気持ちでブランドの方向性を地元志向へ転換させました。
なので先程のアメリカの写真は僕にとっても、DARGOにとっても、とても大切な写真となっています。

そして、ここまでウンチクやエピソード、
長くなりましたが、そんなん
吹き飛ばすくらい あっさり着やすい
フォトスウェットを作りました。

【DARGO】
"SAN FRANCISCO PHOTO"
15onz Super Heavy Weight Sweat Shirt
size:M, L, XL, XXL
color:BLACK
price:16500yen(in tax)
ONLINE STORE(CLICK!!)
値段高くなってすみません。
が、そんなん気にならないくらい頑丈な15オンス 裏起毛ボディに、着やすいフォトプリントをシルクスクリーンを使い、手刷りでプリントしています。おそらく7~8年、いや…もっとかな。普通にそれくらいは着れる。それだけしっかりしています。

写真のプリントは4色分解でおこないます。
まず、網点でつくったシルクスクリーンを数版用意。
全部ピクセルレベルで露光されており、ハイメッシュを使用します。(#120)

さっそくインクを調色します。
CMYKと呼ばれ、シアン・マゼンタ・イエロー・黒の4色も準備。

1%ずつ、濃度を確認しながら調色します。
でないと最終的な写真の色味も変になりますからね。

①黒色ボディにカラーインクは発色が写りづらいので、白ベタを引きます。

②③イエロー・マセンタをプリントします

④シアンを印刷する

⑤ブラックを重ねたら完成

San Francisco, Californiaがカッコいいですね。書体もグッドです!

フォトプリントの最大の魅力はスタイリングしやすいところ。
普通に着れて、年齢を重ねても安心して長く着れる価値があるんです。

だからこそ僕は、写真に意味がないとダメだと信じています。
こういうのはエピソードの無い適当な写真ではダメ。

結構色ブレしていますが、だからこそインクジェットが開発されました。
が、僕が求めているのは昔ながらなアメリカのスウェットの雰囲気。
シルクスクリーン特有の雰囲気がDARGO的な正しいプリント。近くで見ても壮観。

首回りは補強用ステッチ無し。見た目スッキリした印象です。
そして洗濯しても全然伸びませんでした。安心して着れますね。

そのほかのタグもワンポイトで個性があります。



ブランドとして、出来る限りお買い求めやすい価格で販売したい意向はもちろんありますが、逆にある一定以上のハイクオリティクラスになると、どうしても生産数が限られてしまいます。時間がかかるし、体は一つなので…。
特に多色刷りは連続でプリントを成功しなければならず、とても神経を使います。
おかげさまで昨年は『まだ?』『早くつくって』といったお声を頂戴する機会が増えましたが、やはりどうしても数が作れない。
良いモノなので。時間が必要になるんですね。
そのため、
すぐに完売にならないように、
しっかり在庫を見ていただけるように、
今季からDARGOブランド内でのハイクオリティクラスのウェアは今までよりお値段が上昇するようになりました。
ただ、だからこそ、長く着れる耐久性の高いボディに、日本でもあまり類を見ない技法でプリントを施しました。
この掛け算で生み出されたウェアが、お客様の週末をさらに楽しくするものだと思っています。
お値段の上げ幅分、お客様がもっとカッコよくなる。この幅も大きくすることを責任だと考えています。
とはいえ、値上げなんて僕もかなりビビッていましたが、それでもこちらのフォトスウェットはご好評いただいていまして残りMサイズ 1着となってしまいました。
身長160~169cmくらいのお客様にピッタリです。
是非、オンラインストアにてチェックしてみてください。
ありがとうございます!
SOLD OUT!全数完売しました
10年目なので、今年は進化を見せつつ、原点も忘れずにデリバリーしていきます。
DARGOのウェアで皆さんの2025年をさらに盛り上げますよ!
DARGO / Narimatsu